エコカレッジぐうたら村はこんなところです

<この場との出会い>

八ヶ岳南麓、標高1111m。教育学者の汐見稔幸(現村長)と森でESDを実践してきた小西貴士(現管理人)が「ぐうたら村」のフィールドに出会ったのは2009年でした。1,900平米の耕作放棄地に立ち、八ヶ岳を背に富士山を眺めながら、この場所に保育や幼児教育に携わる者が集まって、わたしたちが地球の一部であることを学ぶエコカレッジがあったならどれだけ素敵だろうかと、時を忘れ夢を語りあいました。それから3年。2012年から少しずつ、そんな夢に共鳴してくださる皆さんと共に汗を流しながら、エコカレッジ「ぐうたら村」づくりは進んでいます。

<ヒトが営むことで、地球は豊かであり続ける>

ぐうたら村作りは、「こうあるべき」姿を完成させるワークではなく、ヒトが歩んできた道のりを体感し考えることができるワークや、他の命との関係を体感し考えることができるワークを大切にしてきました。丸太や廃材や土で小屋を建てたり、多様な命が生きる畑を営んでみたり、裸火を囲める場所を作ってみたり、かまどやオーブンを築炉してみたり…。

そんなふうに、保育者を中心とした多様なメンバーによってゆっくりと進められてきた村づくりの結果、赤土砂漠だった土地は保育者が学ぶための豊かさを備えたフィールドとなりました。間伐丸太と番線で組んだやぐら、草屋根と本畳で断熱した漫画小屋、敷地の赤土を活かしたアースバッグハウス、森に倣った生物多様性の畑、ワークショップ前後に火を囲むファイヤープレイス、敷地内に点在するニホンミツバチの巣箱、畑の間をついばみながら歩く烏骨鶏たち、ラベンダーを育て精油を抽出し、綿を育て紡ぎ、藍を育て染め、かまどでご飯を炊き、アースオーヴンでピザを焼き、木陰で休む。そんな環境で保育者が学ぶことが、ようやく可能になってきました。それでも、村づくりに完成はありませんから、今もこれからもずっと作り続け、ゆっくりと変化し続けてゆきます。

道路建設の残土を受け入れた耕作放棄地だった場所に、ヒトが営んでみたら…。ヒトも生命も大地も荒んでゆくのではなくて、豊かになってゆく!そんなビジョンで変化してきたぐうたら村の豊かな環境。持続可能な社会とこれからの保育・教育を結んで考える場として機能しています。